壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

Theピーズ 6/9武道館 30年前も30年先も(6)

あの日からもう一月近い時間がたってしまいました。
何とか生きてます。
音楽と人の武道館の記事を読む前に、最後まで書ききってしまいたいと思います。


当初の予定より本編の時間がオーバーしたのであろうtheピーズ
アンコールを求める拍手が始まるや否や、ほんの1分くらいでステージに戻ってきました。

アンコール1曲目は「底なし」。
「初めてこの3人(しんちゃん)と合わせた曲です」とはるさん。
もっと語りたそうでしたがすぐ演奏へ。本当に時間がないみたいです。

底なし収録の5th「どこへも帰らない」は移籍第一弾にして正ドラマー不在。
しんちゃんも何曲か叩いたのは知っていましたが、どの曲までかは知りませんでした。歌詞カードに載ってたかな?

しかし本当に名曲です。イントロのギターが好きすぎる。貼っときます。


底なし


2曲目は「ゴーラン」。
タマキンを絞りながら、投げやりに次に向かっていく曲。
やけくそをエンジンにして壊れかけのバンドを無理くり進ませてきたんだろうなあ、と浸りながら聴いていました。

ただ、この時私の一番の心配事は時間オーバーで予定曲がカットされてしまうのでは、ということでした。
大阪野音の時も、ブログに貼ってあったセトリには最後に「yeah」という文字があったにもかかわらず演奏されなかったし。
もし「グライダー」が聞けなかったらどうしよう、タマキンを絞ってる場合じゃないぞ、というのがアンコール2曲目の時の本音です。

そしてついにきましたアビさんボーカル「デブジャージ」。
いつもなら歌う前に観客を煽るパートが長い曲ですが、今日はすぐ歌い始めるアビさん。時間やっぱりないんですね。

「クッタクタだ 練習から 「かーえる道」と歌ってマイクを客席に向けるアビさん。
「あ デブだ 殺される 酔っぱらってる」すさまじい歌詞の合唱が沸き起こる武道館。
 デブにおびえるパンクス達の永遠のナンバー。盛り上がり方も半端なかったです。

4曲目は「君は僕を好きかい」。3rd「クズんなってGO」からこの日2曲目。
はるさんがまだお酒を飲んでいた昔の曲。
退廃的な歌詞がはっきりと出始めたのもこのあたりのアルバムからだったと思います。

以前読んだ漫画で、うろ覚えですが、やってくる明日から逃げるように酒を飲み、その酒からも逃げるようにまた飲む、というセリフがありました。
アルコールによる一瞬の現実逃避の代償に少しづつ蝕まれる未来。
それでも現実から目をそらすことが出来る瞬間が無いと生きていけない。
君は僕を好きかい、という懇願のような、またどこかで諦めているような問いかけ。
静かに染み渡るこの曲が、アンコールももう短いことを知らせます。

アンコール最後は「脳ミソ」。
ライブ終盤の定番曲で、盛り上がること必至のナンバーで、おそらく最後の曲。
ダブルアンコールがあると思っていなかった私は、脳ミソが始まった瞬間かなりがっかりしました。

武道館でグライダーを聞けないと死ぬに死ねない。
あの時は頭がそれでいっぱいでした。

そして演奏が終わり、万雷の拍手の中ステージを降りるtheピーズ
お願いだからもう一回ステージに戻ってきてくれ、とメンバーがはける前から手拍子を始める私でした。


最後まで行かなかった...
一か月前のライブですが、覚えているものですね。本当に幸せな時間でした。
次行くライブはフジロック
それまでに仕事を完全に終わらせるため、夕食食べたら会社に戻ります。

Theピーズ 6/9武道館 30年前も30年先も(5)

デビュー曲だったり1stアルバムの曲だったり、活動初期の楽曲はそのバンドの代名詞として、その後リリースを重ねても残り続けます。
エレファントカシマシだったら「ファイティングマン」。
コレクターズなら「僕はコレクター」。
他にも私の好きなART-SCHOOLなら「Fade to black」、syrup16gなら「翌日」。
ライブの度に演奏され、ファンにとってもバンドにとっても大切な曲になることが多い気がします。

theピーズにとってのそれ、デビュー曲「バカになったのに」は武道館公演も佳境に入った23曲目に演奏されました。

「デビューの時って、俺たちが一番有名だったときだから今もこれ(バカになったのに)が代表曲みたいになってるんだよね」
清志郎さんにも「お、バカ(を歌ってるバンド)」と声をかけてもらったし」
「もう30年前、いつまでもバカになったのに、って甘えてちゃダメだ」
たしかこんなMCをしていた気がします。

theピーズの1stアルバムは、後の内省的な私小説のような歌詞の予兆はあるものの、大半の歌詞は意味のないもの。
THE BLUE HEARTS以降のロックとして、応援歌や薄いラブソングを量産するバンドに対してのカウンターとして機能していたはずですが、
それと同時にデビュー時に分類された「バカ・ロック」というイメージがその後もついて回ります。

分かりやすいイメージ、というのは一長一短。
バンドにもバカになったのにだけじゃないのに、という時期があったのかもしれません。
しかし武道館に集まったお客さんで、最近の曲は聞いてなくてもこれだけは覚えてる、という人もたくさんいたのではないでしょうか。

そして中期ピーズの代表曲にして大名曲「日が暮れても彼女と歩いてた」。
この2曲、ピーズの両輪ともいえる曲が続けて演奏されたのはとても大切だと思います。

気がふれても彼女と歩いていた、と歌詞カードにはない歌詞を歌うその姿は、なんとも言えない幸福感に包まれていました。
言葉の向こう側にある景色が客席一人一人の胸に広がっていく瞬間。
ロック史に残る、と大風呂敷を広げるまでもなく、この日武道館にいた人間の中で朽ちることなく、永遠に鳴り続ける音楽の一つでしょう。
共有したい、という気持ちと独り占めしたい、という気持ちは表裏一体ですが、この曲だけは武道館に集まった数千人で独り占めしてもいいのではないでしょうか。

未来へずれていく「サイナラ」、何があっても沈む「ドロ舟」、そして近年のアッパーチューン「真空管」。

そして最後の曲。アンコールがあるのは分かっているものの、夢の中でもうすぐ夢が覚めてしまう、と自覚できる時の気分というか、せつない気持ちが心をよぎります。

今日会えてよかった、と語るはるさん。
「生き延びてくれてありがとう、それだけだ!!」始まったの本編最後の曲は「生きのばし」。
復活後のアルバム1曲目を飾る曲。

この曲があったから生きられた瞬間、というのが何回もありました。

「あの日あの空拝めたのは あの日のボクらだけ」

生き延びてきたかいがあった。あの日何回も感じたことです。
去年初めて行ったフジロックでもそう感じましたが、もうしばらくはこんなライブに出会えないでしょう。
またいつか、そんな日が来るまで私は何回もこのライブのことを思い出すと思います。

本編が終わり、万雷の拍手の中袖にはけるメンバー。

ふと時計を見ると20時40分を回っていました。
この日MCで「今日9時までは武道館は俺の家だからゆっくりしてってよ」と言っていましたが、9時なんてすぐです。
あれ、まだ聞きたい曲、聞いてない曲たくさんあるのに、とにわかに焦り始めた私でした。

たぶん次で終わります。

Theピーズ 6/9武道館 30年前も30年先も(4)

武道館前、雑誌のインタビューではるさんは爆音を鳴らすのは武道館で終わり、と言っていました。
最近は一人ピーズの活動も増えているので、ピーズ本体の活動もそちらに近づけていくのかな、となんとなく思っていました。

「オナニー禁止令」が終わり、ベースをアコギに持ち替えるはるさん。
お酒についてのMCを挟んで始まったのは「温霧島(黒霧さらば中にて)」のアコースティックバージョン。
10thアルバム「アルキネマ」以降にリリースされた近年の傑作曲です。
アビさんのギターの音も変化していたので、おそらくセミアコか何かに持ち替えていたのでしょう。
しんちゃんも音が大きく出ないドラムスティック(名前を知りません...)を使って全体的に優しい音。

はるさんのベースの音が聞こえない寂しさはありますが、その分楽器一つ一つの音がよく聞こえ、何よりメロディーの良さがより際立つこの編成も悪くないな、と感じながら聴いていました。

続く「異国の扉」もアコースティックバージョン。
武道館前は、これを最後にtheピーズが終わってしまうのではないかという不安をぬぐえずにいました。
しかし、この2曲を聞いて、どんな形になろうとピーズは無くならない、という確信を得ることが出来ました。
本当に今日が最後であるなら、未来の形を模索したりはしないと思います。
はるさんはバンドを、そして音楽をやり続けるために試行錯誤し、その中でこれまでの音楽に一区切りつけるため武道館をやることにしたんだな、と勝手に一人納得しました。

次の復活ライブは紅布とか千葉LOOKとかでしょうか。チケットとれないだろうな...

MCの順番は前後しますが、アビさんが一度チューニングを始めた後「やっぱりチューニングズレてなかった」と言うと、
はるさんが慌てて「じゃあこっちがおかしいってこと?」とベースを確認する場面があったり、
武道館公演にあたって導入した新スピーカーについて語っていたりと、
当たり前と言えば当たり前の話なのですが、本当に音を大切にしているんだな、と感じました。

はるさんのキャラクターであったり書く歌詞であったりが目につきやすく、そちらがクローズアップされることも多いですが、音がカッコよくないバンドがこんなに長く活動出来たり、武道館を埋めたりはできないよな、ということを再確認しました。

ステージ上は再度ロックバンド編成。

武道館は最初で最後だから、と言いながら始まる、「初めての武道館」ならぬ「3度目のキネマ」。
フラカンやコレクターズの時は可能性は薄くともバンド側にまたここでやる、という意思が少なからずあった気がしましたが、theピーズにはそれが全く無いように思います。
だからこそ思い残すことのないようにバンドも観客もこの日を全力で過ごせた、という部分はあると思いますが、またいつかやってほしいな。
武道館は無理でも、また野音は絶対やってもらいたいです。

ギターソロがお気に入り(はるさん談)であるらしい「絵描き」。この曲も、アコースティックバージョンが映えそうです。

そして「ハニー」。
この曲で武道館の興奮ボルテージがまた一つ上がった気がしました。
「幸せになろうぜ、ハニー!!」とはるさんが叫ぶとお姉さま方はもちろんオッサン(私も含めて)大興奮。
どう考えても私たちはハニー側に分類されないでしょうが。

「喰えそーもねー」で盛り上がり、久しぶりに聞く「どっかにいこー」に興奮し、「線香花火大会」が胸に染み入り。
いよいよ武道館公演本編はクライマックスに突入します。

今日は絶対「生きのばし」まで書くつもりだったのに...

Theピーズ 6/9武道館 30年前も30年先も(3)

あの夢のような日からもう1週間たってしまいました。

「ノロマが走ってく」から始まった武道館、2曲目で早くも「とどめをハデにくれ」。

良いだけ盛り上がる客席は「やっとこんないいとこまで 辿り着いてしまった」という歌いだしの「鉄道6号」が始まると一気に聞き入るモードへ。
この曲は大阪城野音で聞いた時にもかなりグッときましたが、隣の人はもう完全に泣いていました。

曲が終わるたびに嬉しそうに声を上げるはるさんと、それ以上に嬉しそうな表情でギターをかき鳴らすアビさん。

4曲目「焼めし」でははるさんが両手を挙げてゆらゆらさせながら客席に呼びかけます。
「こんなことするの(お客さんで腕の動きを合わせること)もうこの曲しかないから」

シンちゃんのドラムに合わせてどんどん加速していくような焼めしバーニング。
盛り上がって曲に聞き入ってまた盛り上がって。
この時点で私のTシャツは汗でべっしょりでした。

4曲目が終わった時点でアビさんはTシャツを脱ぎだし半裸状態。筋肉ムキムキ。

「今日は真っ白に燃え尽きるぜ、スポ魂だ!!」と叫ぶアビさんに、
「この絵面はまだ早いって」と突っ込むはるさん。

この日の「いいMC」はだいたいアビさんから発せられた気がします。
もうこれ以上の幸せはないな、と思いながら30年ともに歩んできた2人のほほえましいやり取りを眺めていました。

5曲目「ブラボー」は流石のカッコよさ。ベースラインが本当にいいんです。
演奏自体は少しミスがあったのか、曲終わりではるさんがズレた、とつぶやいていましたが。

名曲「映画(ゴム焼き)」、アルバム「アンチグライダー」から「脱線」、かわいい曲を、と言って始まった「でいーね」とライブは続きます。
1stアルバムから「いちゃつく2人」が演奏されると、お隣の席のピーズファン歴が長いであろうご婦人はもうノリノリ。

そしてピーズ史上何回もないであろう大コール&レスポンス大会が始まります。
しかも「シニタイヤツハシネ」で。

はるさんが「まず東から、シニタイヤツハシネ、はい!」と促すと
武道館の東側からシニタイヤーツハーシネ、ときれいな大合唱。拍手に包まれる武道館。
南席はシニタイトキニシネ、西側がシニタイヤツトシネ、そしてアリーナでシニタイヤツハシネ。
シネ、という物騒な言葉でこんなにも幸せな一体感が生まれる空間は世界広しといってもあの日の武道館だけでしょう。
私は南西席だったので、歌うタイミングを逃してしまいましたが...

はるさんも「なんなんだこの光景は」と笑いながら「シニタイヤツハシネ」がスタート。
変態、凡人、年をとれ。
年を取ったからこそこんな光景が見られたのでしょう。
本来攻撃的極まりないこの曲も、敵意や八つ当たり感は残りながらも唯一無二のロックンロールに昇華されたのは、ひとえに年月を経てきたからだと思います。角は取れながらも磨かれさらに輝きを増す楽曲。

後に演奏される「実験4号」でも感じましたが、言葉の強度以上にメロディーの美しさが際立っていたように思います。
最悪の人生を消したい、と歌った当時のはるさんと今のはるさんは別の人間。
ピーズにとってもお客さんにとっても、きっと最悪の人生はすでに通り過ぎた過去。
穏やかな心でこの曲が聞ける日が来た、というのはとても幸せなことだと思います。

14曲目は私が一番聞きたかった「オナニー禁止令」。
たぶんやらないだろうと思っていたので、うれしくてうれしくてここぞとばかりに飛び跳ね盛り上がりました。
個人的ハイライトはこの場面でした。もう汗だくだく。

そして、ステージ上は来る31年目のピーズの一つの形になるであろうアコースティック編成に移りました。

あと一回か二回で流石に書き終えようと思います。

Theピーズ 6/9武道館 30年前も30年先も(2)

開演時間を7~8分過ぎ客電が落ちると、歓声とともにステージの両脇に設置されたスクリーンにtheピーズの歴史を振り返る映像が流れ始めました。
結成した当初の若いメンバーの映像から始まった映像は、ウガンダがツアー前に脱退し2人ピーズでツアーを回る時のMCや、ベースを他人に預けた4人編成時の、はるさんがステージで転がる場面(これは開演前のスライドショーだったかな?ちょっと記憶があいまいです)、そして遂にアビさんまでいなくなり小五郎と吉田さんを紹介するライブでの一場面を流します。
そして1997年活動休止、スクリーンに映しだされる文字。
コレクターズの武道館で流れたオシャレな映像とは異なる、少しずつ壊れていったバンドの記録。

ただしんみりするのはここまで。
「父ちゃん母ちゃんごめんなさい、はるくんは今日からまたバンドを始めてしまうのでした~」とおどける再結成ライブ(千葉LOOKかな?)の映像が流れると大きな歓声が上がり、25周年野音でのアビさんの「このアル中2人と音を鳴らせるだけでいい」という映像が流れるとすでに武道館は幸せな空気に包まれ、バンドをお出迎えするモードにばっちり変わっていました。

そして満を持してステージに登場するメンバー。
そこには、ついに俺たち武道館まで来たぜ!!というロックンローラーの雰囲気を一切醸し出さない、3人のただただはしゃいだオッサンの姿がありました。
満面の笑顔でSEに合わせ、ひげダンスをしながらステージ上を練り歩くメンバー。
ここでスクリーンには、ステージ上のメンバーの姿が大きく映し出されていました。

スクリーンがあってよかったな、と今回の武道館は最初から最後まで思いました。

笑顔のはるさん、アビさんそしてしんちゃんの表情がスクリーンに映るたびに幸せな気持ちというか、もうこの武道館はどう転んでも大成功だな、という気持ちにさせてくれました。

ウロウロしたいだけステージをウロウロしたメンバーがようやく楽器を持ち、大歓声とともに始まる「ノロマが走ってく」。
やっとこの瞬間に巡り合えた、という高揚した気分と、どんなに長くてもあと数時間後には全部終わってしまうんだな、という後ろ向きな気持ち両方を抱えながら(少なくとも私は)、6/9武道館でロックンロールが始まりました。


続きはまた明日にします。
それにしてもすでにMCとかうろ覚えです。早くDVDが見たいです。

Theピーズ 6/9武道館 30年前も30年先も(1)

フラカンの武道館のテーマはライブハウスでいつもやっていることを武道館で。
コレクターズは広いステージで本物のロックショウを見せること。
今回、theピーズのそれは、やれそうなことはこの際全部やってやろう、武道館独り占めだ!みたいなことだったのではないかと思います。

まずはセットリストから。
1.ノロマが走ってく(2005年 9th「赤羽39」収録)
2.とどめをハデにくれ(1996年 5th「どこへも帰らない」収録)
3.鉄道6号(1997年 6th「リハビリ中断」収録)
4.焼めし(2005年 9th「赤羽39」収録)
5.ブラボー(2017年 「異国のブラボー」収録)
6.映画(ゴム焼き)(1993年 4th「とどめをハデにくれ」収録)
7.脱線(2004年 8th「アンチグライダー」収録)
8.でいーね(2012年 10th「アルキネマ」収録)
9.いちゃつく2人(1989年 1st「グレイテスト・ヒッツ VOL.1」収録)
10.シニタイヤツハシネ(1993年 4th「とどめをハデにくれ」収録)
11.クズんなってGO(1992年 3rd「クズんなってGO」収録)
12.実験4号(1997年 6th「リハビリ中断」収録)
13.トロピカル(2012年 10th「アルキネマ」収録)
14.オナニー禁止令(1990年 2nd「マスカキザル」収録)
15.温霧島(黒霧さらば中にて)(2014年 「赤羽48」収録)*半アコースティックver
16.異国の扉(2017年 「異国のブラボー」収録)*半アコースティックver
17.3度目のキネマ(2012年 10th「アルキネマ」収録)
18.絵描き(2012年 10th「アルキネマ」収録)
19.ハニー(1996年 5th「どこへも帰らない」収録)
20.喰えそーもねー(2003年 7th「Theピーズ」収録)
21.どっかにいこー(1990年 2nd「マスカキザル」収録)
22.線香花火大会(1997年 6th「リハビリ中断」収録)
23.バカになったのに(+αみじかい夏は終わっただよ)(1989年 1st「グレイテスト・ヒッツ VOL.1」収録)
24.日が暮れても彼女と歩いてた(1993年 4th「とどめをハデにくれ」収録)
25.サイナラ(2003年 7th「Theピーズ」収録)
26.ドロ舟(1997年 6th「リハビリ中断」収録)
27.真空管(2012年 10th「アルキネマ」収録)
28.生きのばし(2003年 7th「Theピーズ」収録)

29(En1-1).底なし(1996年 5th「どこへも帰らない」収録)
30(En1-2).ゴーラン(2004年 8th「アンチグライダー」収録)
31(En1-3).デブジャージ(1989年 1st「グレイテスト・ヒッツ VOL.2」収録)
32(En1-4).君は僕を好きかい(1992年 3rd「クズんなってGO」収録)
33(En1-5).脳ミソ(1996年 5th「どこへも帰らない」収録)

34(En2-1).何様ランド(1996年 5th「どこへも帰らない」収録)
35(En2-2).グライダー(2003年 7th「Theピーズ」収録)

約3時間、全35曲のライブ。
活動休止前(1st~6th)が19曲、復活後(7th~異国のブラボー)で16曲。
全てのアルバムから満遍なく演奏されました。

時間オーバーしたらしく、本編が終わって脇に引っ込んだ後、1分くらいでアンコールに出てきて時間を節約していました。
まさか時間切れでグライダーが聞けなかったら一生後悔するぞ、と本気で焦りました。
しかしアンコールの一番最後、客電をつけてのグライダーはもう言葉にできない解放感というか高揚感がありました。

武道館の感想や覚えていることは明日また書きます...
本当は一気に今日書き上げるつもりだったのですが、
セトリ調べて疲れたのと、あと武道館の感想を書き終わるのがさみしくてしょうがないんです。

Theピーズ 6/9武道館 考察編(自分の気持ちについて)

正直、私はこのライブでおもいっきり泣くだろう、むしろ大泣きしたいと思っていました。
このライブ中、もちろんグッとくる場面はいくつもありましたが、結局1度も泣くことはありませんでした。

私の場合ライブで涙するということは、演奏されている曲によって自分の思い出が引っ張り出され、ノスタルジーを感じることで生じる、つまり曲をオカズにして自分のことで泣いているという状態なのかもしれません。

この日のライブに、自分の事を考える隙なんて一つもありませんでした。
目の前で物凄くいい音で最高のロックンロールが鳴り、そしてステージ上で幸せそうな表情を浮かべるはるさん、アビさん、シンちゃん。

目の前の世界から一瞬でも気をそらしたくない、全ての音を受け止めようとしている間にライブはあっと言う間に終わっていました。
本当に今日3時間以上のライブを見たの?という感じです。

感動を上回る幸福感とでも言いましょうか。
ロックンロールの魔法に見事にかけられた、幸せなショウでした。

思えば唯一の泣くチャンス(?)はオープニング前後だけだったでしょう。
なんせスクリーンにはtheピーズ30年の歴史を振り返る映像が流れていましたから。

しかし私は開演時間になっても観客が会場内に入りきらなかったことで非常にヤキモキしていました。

どうして時間を守れないんだ、ライブが遅れてピーズが延滞料金払わされたらどうするんだ、それに早く満員の会場が見たいのにまだ空席いっぱいあるじゃないか、いや待てよ、ソールドアウトになったのは自分の勝手な妄想だったのではないか…などと意味の分からないことを考えているととても泣くモードには入れませんでした。

そして極め付きはtheピーズ入場シーン。
私はヒゲダンスをしながらステージに上がるバンドを初めて見ました。

可笑しいやら嬉しいやら愛おしいやらで会場は喝采と爆笑に包まれました。
この時点で、今日は泣くのは無理だ、と悟りました。

今書きながら思い出したのは、むしろ開演を待っている時の方がしんみりできていたかもしれません。

ステージ上のスクリーンでは、開演までtheピーズの写真アーカイブのスライドショーが流されていました。
もちろんはるさんとアビさんの写真が多く、若い頃の写真が映るたびにかわいー、という声があちこちから上がっていました。

しかしそれ以上に、初代ドラマーのマスヒロ、二代目ドラマーのウガンダ、そしてアビさん脱退後のギター小五郎の写真が映るたびに、胸がギュッと締め付けられる感覚を覚えました。
はるさんアビさんマスヒロの3ショット、はるさんアビさんウガンダの3ショット.そしてはるさん小五郎吉田さん(活動休止直前のドラマー)の3ショット。
どの写真も最高にかっこいいバンドの姿を写しているものばかりでした。
theピーズはいつの時代の、どのメンバーの時もロックンロールバンドでした。

様々なミュージシャンが時代時代のピーズを支え、止むを得ず去っていき、それでもバンドは今日まで生きながらえてきたのだ、という事実を再確認でき、ライブが始まる前から満足感はピークに達していました。

加えて私の席が南寄りの1階南西だったことにより、はるさんのご両親やご親戚であろう方々が南の招待席に座られているのを見たのも、本番で泣けなかったことに拍車をかけた気がします。

1人、また1人と親戚と思しき方が来られる度に皆懐かしそうに挨拶をされていたのですが、ライブ中に会場でシニタイヤツハシネ、という物騒極まりない合唱が始まったりマスカキがどうとか上品とは言い難い歌が鳴り響く度に、はるさんのご両親は今どんな気持ちなんだろうか、とこれまた訳のわからないコトを考えてしまい、涙の流れる余地などありませんでした。

自分は人生にプラスにならない妄想に浸るクセがある、ということ図らずも認識することとなった武道館でした。

まだ曲の、ライブの感想を一つも書いてません‼︎
ライブ感想編は明日また書きます。
最高のライブだったのは紛れも無い事実ですので。