壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

Theピーズ 6/9武道館 考察編(自分の気持ちについて)

正直、私はこのライブでおもいっきり泣くだろう、むしろ大泣きしたいと思っていました。
このライブ中、もちろんグッとくる場面はいくつもありましたが、結局1度も泣くことはありませんでした。

私の場合ライブで涙するということは、演奏されている曲によって自分の思い出が引っ張り出され、ノスタルジーを感じることで生じる、つまり曲をオカズにして自分のことで泣いているという状態なのかもしれません。

この日のライブに、自分の事を考える隙なんて一つもありませんでした。
目の前で物凄くいい音で最高のロックンロールが鳴り、そしてステージ上で幸せそうな表情を浮かべるはるさん、アビさん、シンちゃん。

目の前の世界から一瞬でも気をそらしたくない、全ての音を受け止めようとしている間にライブはあっと言う間に終わっていました。
本当に今日3時間以上のライブを見たの?という感じです。

感動を上回る幸福感とでも言いましょうか。
ロックンロールの魔法に見事にかけられた、幸せなショウでした。

思えば唯一の泣くチャンス(?)はオープニング前後だけだったでしょう。
なんせスクリーンにはtheピーズ30年の歴史を振り返る映像が流れていましたから。

しかし私は開演時間になっても観客が会場内に入りきらなかったことで非常にヤキモキしていました。

どうして時間を守れないんだ、ライブが遅れてピーズが延滞料金払わされたらどうするんだ、それに早く満員の会場が見たいのにまだ空席いっぱいあるじゃないか、いや待てよ、ソールドアウトになったのは自分の勝手な妄想だったのではないか…などと意味の分からないことを考えているととても泣くモードには入れませんでした。

そして極め付きはtheピーズ入場シーン。
私はヒゲダンスをしながらステージに上がるバンドを初めて見ました。

可笑しいやら嬉しいやら愛おしいやらで会場は喝采と爆笑に包まれました。
この時点で、今日は泣くのは無理だ、と悟りました。

今書きながら思い出したのは、むしろ開演を待っている時の方がしんみりできていたかもしれません。

ステージ上のスクリーンでは、開演までtheピーズの写真アーカイブのスライドショーが流されていました。
もちろんはるさんとアビさんの写真が多く、若い頃の写真が映るたびにかわいー、という声があちこちから上がっていました。

しかしそれ以上に、初代ドラマーのマスヒロ、二代目ドラマーのウガンダ、そしてアビさん脱退後のギター小五郎の写真が映るたびに、胸がギュッと締め付けられる感覚を覚えました。
はるさんアビさんマスヒロの3ショット、はるさんアビさんウガンダの3ショット.そしてはるさん小五郎吉田さん(活動休止直前のドラマー)の3ショット。
どの写真も最高にかっこいいバンドの姿を写しているものばかりでした。
theピーズはいつの時代の、どのメンバーの時もロックンロールバンドでした。

様々なミュージシャンが時代時代のピーズを支え、止むを得ず去っていき、それでもバンドは今日まで生きながらえてきたのだ、という事実を再確認でき、ライブが始まる前から満足感はピークに達していました。

加えて私の席が南寄りの1階南西だったことにより、はるさんのご両親やご親戚であろう方々が南の招待席に座られているのを見たのも、本番で泣けなかったことに拍車をかけた気がします。

1人、また1人と親戚と思しき方が来られる度に皆懐かしそうに挨拶をされていたのですが、ライブ中に会場でシニタイヤツハシネ、という物騒極まりない合唱が始まったりマスカキがどうとか上品とは言い難い歌が鳴り響く度に、はるさんのご両親は今どんな気持ちなんだろうか、とこれまた訳のわからないコトを考えてしまい、涙の流れる余地などありませんでした。

自分は人生にプラスにならない妄想に浸るクセがある、ということ図らずも認識することとなった武道館でした。

まだ曲の、ライブの感想を一つも書いてません‼︎
ライブ感想編は明日また書きます。
最高のライブだったのは紛れも無い事実ですので。