壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

Theピーズ 6/9武道館 30年前も30年先も(4)

武道館前、雑誌のインタビューではるさんは爆音を鳴らすのは武道館で終わり、と言っていました。
最近は一人ピーズの活動も増えているので、ピーズ本体の活動もそちらに近づけていくのかな、となんとなく思っていました。

「オナニー禁止令」が終わり、ベースをアコギに持ち替えるはるさん。
お酒についてのMCを挟んで始まったのは「温霧島(黒霧さらば中にて)」のアコースティックバージョン。
10thアルバム「アルキネマ」以降にリリースされた近年の傑作曲です。
アビさんのギターの音も変化していたので、おそらくセミアコか何かに持ち替えていたのでしょう。
しんちゃんも音が大きく出ないドラムスティック(名前を知りません...)を使って全体的に優しい音。

はるさんのベースの音が聞こえない寂しさはありますが、その分楽器一つ一つの音がよく聞こえ、何よりメロディーの良さがより際立つこの編成も悪くないな、と感じながら聴いていました。

続く「異国の扉」もアコースティックバージョン。
武道館前は、これを最後にtheピーズが終わってしまうのではないかという不安をぬぐえずにいました。
しかし、この2曲を聞いて、どんな形になろうとピーズは無くならない、という確信を得ることが出来ました。
本当に今日が最後であるなら、未来の形を模索したりはしないと思います。
はるさんはバンドを、そして音楽をやり続けるために試行錯誤し、その中でこれまでの音楽に一区切りつけるため武道館をやることにしたんだな、と勝手に一人納得しました。

次の復活ライブは紅布とか千葉LOOKとかでしょうか。チケットとれないだろうな...

MCの順番は前後しますが、アビさんが一度チューニングを始めた後「やっぱりチューニングズレてなかった」と言うと、
はるさんが慌てて「じゃあこっちがおかしいってこと?」とベースを確認する場面があったり、
武道館公演にあたって導入した新スピーカーについて語っていたりと、
当たり前と言えば当たり前の話なのですが、本当に音を大切にしているんだな、と感じました。

はるさんのキャラクターであったり書く歌詞であったりが目につきやすく、そちらがクローズアップされることも多いですが、音がカッコよくないバンドがこんなに長く活動出来たり、武道館を埋めたりはできないよな、ということを再確認しました。

ステージ上は再度ロックバンド編成。

武道館は最初で最後だから、と言いながら始まる、「初めての武道館」ならぬ「3度目のキネマ」。
フラカンやコレクターズの時は可能性は薄くともバンド側にまたここでやる、という意思が少なからずあった気がしましたが、theピーズにはそれが全く無いように思います。
だからこそ思い残すことのないようにバンドも観客もこの日を全力で過ごせた、という部分はあると思いますが、またいつかやってほしいな。
武道館は無理でも、また野音は絶対やってもらいたいです。

ギターソロがお気に入り(はるさん談)であるらしい「絵描き」。この曲も、アコースティックバージョンが映えそうです。

そして「ハニー」。
この曲で武道館の興奮ボルテージがまた一つ上がった気がしました。
「幸せになろうぜ、ハニー!!」とはるさんが叫ぶとお姉さま方はもちろんオッサン(私も含めて)大興奮。
どう考えても私たちはハニー側に分類されないでしょうが。

「喰えそーもねー」で盛り上がり、久しぶりに聞く「どっかにいこー」に興奮し、「線香花火大会」が胸に染み入り。
いよいよ武道館公演本編はクライマックスに突入します。

今日は絶対「生きのばし」まで書くつもりだったのに...