壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

syrup16g delaidback(2) UKFC on the Road 2013の思い出

そういえば「生還」の後、五十嵐さんがソロで出たUKFCのイベントを観にスタジオコーストにも行ったのを昨日ブログ書いた後に思い出しました。

あれだけがっかりしたはずなのに、もうその3か月後にはすっかり忘れていたんでしょうか。

よくよく思い出してみると、あのライブの後ひとしきり落ち込んだ後、五十嵐さんが生きていればもうなんでもいい、むしろこれまで生きているかどうかも分からなかったんだから(活動休止中はART-SCHOOLの木下さんのTwitterが唯一の情報源でした)消息を知らせてくれただけでも十分じゃないか、と考えが変わっていたように思います。
何かのはずみで新興宗教にはまってしまいそうなフラフラの思考。

そんな中での五十嵐隆ソロでのイベント出演の情報。
五十嵐さんに会える、今会わないと次いつ会えるかわからないとアイドルの追っかけと寸分たがわぬ思考ですぐチケットを買いましたが、計3日あったこのイベント、この日だけ当日券が出てた気がします。
この日も研究室を抜け出したなあ、そういえば。
当時しっかり研究を頑張っているつもりでしたが、はたから見ればそうでもなかったんだろうな・・・

五十嵐さん以外に誰が出演していたんだろうと調べてみると、シャンパンの栓をスポンと抜いたように色々記憶があふれ出しますね。
確かあの日のテーマは「日本オルタナティブ選手権」でした。

ART-SCHOOLはずっと好きだったのですが、元ベースひなっちと組んだkilling boyはこの日初めて見ました。
前説でUKプロジェクトの遠藤さんが、「リッキーはリハーサルですでにのどガラガラでした」と言ってました。

MO'SOME TONEBENDERはとにかく音が大きくてうるさかった。

OGRE YOU ASSHOLEは延々とループする歌を聴きながら一瞬意識を持っていかれました。
これは昼間から聞いていい音楽じゃないな、と思ったのを覚えています。

今でこそ大好きなきのこ帝国ですが、あの日はただうるさい音楽だな、としか感じませんでした。
初期の爆音シューゲイズ路線より、最近のほんの少しやさしい歌の方が好みです。
Rideとかslowdiveはよく聞いていたので自分はシューゲイズは好きなんだと思っていましたが、
「そうか、私はシューゲイズじゃなくてドリーミーポップが好きなんだ」と思いながらステージを眺めていました。

THE NOVEMBERSはあまり覚えてない・・・
dipはかっこよかったなあ。
この次が五十嵐さんの出番だったのですが、フライングした「五十嵐ー!!」という声がいくつか飛び交っていました。
五十嵐ではなくヤマジです。


そして遂に五十嵐隆の出番。
その瞬間どっと人が後ろから押し寄せてきて、突如この日一番のぎゅうぎゅう詰め状態に。
おいおい、弾き語りだぞと思いながら前方5列目くらいまで押し出されました。

五十嵐さんが歌ったのは「copy」の曲。
「She was beautiful」から「(I can't)Change the World」まで、「生活」は飛ばしましたがアルバムの頭から7曲目までを演奏。
現在のツアー「十六夜」とコンセプトは同じですね。
あの日は五十嵐さん一人で、そして今年は3人で。そう思うと感慨深いです。

本番前のセッティングで「She was beautiful」のイントロが聞こえたので、
「ああ、今日も新曲ではなくsyrup曲か」と悟りましたが。この日は落ち込んだりはしませんでした。
前回のライブは余計な感情で集中しきれなかった分、何の曲をやろうとも、その姿をしっかり目に焼き付けねば。

MCらしいMCはなし。
あたりからは「おかえりー!!」という声が。
この日が久しぶりの再会だった人も多いのでしょう。
この空気はツアー「クランケ」まであったと思います。

この日も特にアナウンスもなくステージは終了。
後のインタビューで、この日弾き語りが無理だと思ったからsyrup再結成に心が傾いていったと語っていた五十嵐さん。
あの時には、こちらからはそんなこと一切分かりませんでしたが、どんなものも何かに繋がっているんですね。

人に押されて汗だくになり、いったん外に出てドリンク交換。
戻るとコーストはかなりスキマが生まれていました。皆五十嵐さん終わったら帰っちゃったのか・・・

そういう私もPOLYSICSthe telephonesの声の高さに耐えられず途中帰宅(研究室もあったし)。
振り返るとほとんどの出演バンドの感想が「うるさい」だけになっています。これでは感想じゃなくただの悪口です。


今日も仕事から帰って「delaidback」ヘビーローテーション
4月のシャイボーイ」を繰り返し聴きながらこのブログを書きました。
歌詞は後ろ向きだけどメロディーとコードは明るくどこか優しげ。
なにもいいことがない、と暗い部屋で一人落ち込んでるのではなく、
特に予定がない休日に、なにもいいことないなあ、と独り言ちながら川べりを歩いている感じがこの曲からはします。
極端な感情に振り切れず、日々の心象風景をそのままスケッチするような曲も、syrupの真骨頂の一つだと思っています。