壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

syrup16g 2/25 新潟studio nexs(2)

「クロール」で始まったsyrup16gのライブ。
『delayedead』に収録されているということは、『copy』や下手すれば『Free Throw』の頃には既に存在していた16~18年前の曲ということになりますが、歌詞の韻の踏み方とか『darc』に入っていても何の違和感もありません。
遥か昔にsyrup16gは完成されていたんだな、と改めて感じました。

ライブ本編は「落堕」を除いて『delayedead』『delaidback』から構成されたセトリ。
4曲目の「upside down」ですでに感無量。
ネットに転がった密録音源を繰り返し聴いていた高校生の自分に、将来「upside down」が生で聞けるよ、と言っても信じなかったでしょう。

5曲目「これで終わり」は「罪や希望と交換に 僕は新しい傘を買う 使えなくて無理をする」の部分が本当に好きで。
これも高校生の頃繰り返し聴いていました。あまり辛い記憶はないのですが、客観的に振り返ると辛い日々だったのでしょう。
6曲目「赤いカラス」では、初めて旧アレンジが頭の中で流れず、現在の形が一番かっこいいと感じることが出来ました。

1曲1曲それぞれに思い出があったりカッコよさに心震えたりで感想を書いていくとキリがないのですが、個人的にこの日最初のハイライトは10曲目の「明日を落としても」。

この曲は五十嵐さんが一人でアコギで弾き語る印象が強かったのですが、この日はCDと同じくバンドアレンジ。
マキリンがこの曲のベースを、孤独な歌詞を包むようにとてもやさしく奏でていることにこの日初めて気が付きました。

弾き語りver.は五十嵐さんの鬼気迫るむき出しの孤独が、イントロから間奏、アウトロまでアコギで繰り返し刻まれる同じコードの中でうごめいている感じですが、ギターが薄い膜を張るようにステージ上を漂い、中畑さんのリズムの上にマキリンの温かさを感じるベースが乗ったバンドアレンジによって曲の持つ悲壮感が一種の清々しさにまで昇華され、その真綿の中で孤独の陰影がより際立つとでも言いましょうか。
書いたそばから見直してもいまいち意味が分かりませんが、酔っているので許していただきたい。

まあとにかく最高だったということです。

「Do you wanna die?」と繰り返すラスト。
全てを放棄し、目を背けることで得られてしまう安心感。
それによって得られる安寧は中毒性があり、身を委ねきることの危うさは百も承知だが、何もかも、明日すらも諦めないと生きることもままならない、でも生きていたい。
いつ何処で見たのかすら忘れましたが、最後の「Do you wanna die」が「んな訳ない」に聞こえる、という書き込みのことを思い出しながら五十嵐さんのシャウトに浸っていました。
死にたい?そんな訳ない。


いい年齢してこんなこと書きなぐって恥ずかしくなってきましたが、消してしまうのもなんだか寂しいので、残りの感想はまた明日にして寝ます。