活動小休止前のライブ、名演でした。
演奏の、というよりも中畑さんとキタダさんのリズムのうねりというか凄みは過去最高のものだったと思います。
五十嵐さんは声が出なかろうがギターを間違えようが、それすらも表現の一部となり曲にライブならではのリアルさを与えます。
照明も素晴らしかった。
逆光の中に立つ3人は神々しさとロックバンドのカッコよさをこれでもかと放っていました。
ただ、自分の中で、このライブは青木さんの死と切り離すことはできません。
開演前に訃報を知っていれば、このライブに持つ感想は全く別のものになっていたと思います。
例えば、「冥途」なんて文字の入ったシャツは間違いなく購入していませんでした。
ツイッターを見ると、メンバーは開演前にそのことを知っていたように思われます。
あの鬼気迫る演奏はそれによる所があるのかな、と考えるのはプロのミュージシャンである彼らに対しておそらく失礼に当たるでしょう。
何時だってsyrupは最強のロックバンドであり、私が何重にもかかったフィルターの上から見ていたせいでそのことに気が付くのが遅れただけです。
syrup16gをリアルタイムで追いかけ始められたのは「delayedead」とバンド末期からで、初めて買ったDEAD CAN DANCEのDVDには青木さんがいました。
この時の「汚れたいだけ」のギターに感動し、ここから当時活動休止中のdownyを知ることになりました。
リリースは止まり、ギターが輪をかけて弾けなくなっていた五十嵐さんと崩壊寸前のバンドに、青木さんはあの素晴らしいギター以上のものを与えてくれていたのでしょう。
2007年ですか、そんなに経った気は全くしませんが。
明日どうなるかなんて分からない。
「reborn」できるのは生きている人間だけです。
今思うことは、こちらも含めて、生きている間に戻ってきてね、ということだけです。