壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

the madras 8/21 高円寺ムーンストンプ 備忘録

来週末のthe madrasワンマン、そして今年のライブ納めの台風クラブまでに、下書きのまま放置してしまっていた記事を思い出しつつ更新していきたいと思います。

まずはもう3ヶ月前、高円寺で行われたthe madrasのアコースティックセットでのワンマンの、幸せな記憶から。



仕事が終わり、無理すれば7時ぐらいには東京行けないこともない、という場所に転勤した私。
遂にその禁断の果実に手を出し、定時退社後一目散に駅に。満席の新幹線自由席、揺られながら向かうはthe madrasのアコースティックワンマンライブin高円寺。

この日、窓口の駅員さんに違う切符を買われて何故か文句言われた時には想像もできなかったような、人生で5本の指に入る幸せな夜が私を待っていました。


開演ギリギリに到着したライブ会場である高円寺ムーンストンプ、入店した瞬間目に入るカープのユニフォーム。
テレビではカープの試合が流れており、普段はカープファンが集うバーであるとのこと。
地上の楽園の楽園にたどり着き、ニヤニヤが止まらない私。

普通にメンバーの方々はフロアにいるし、橋本さんに話しかけていただけるし、座ったカウンター席はステージから50cmも離れていないし。


天国か。
この時点でカープが2-0で負けていることを除けば。


開演時間を10分程過ぎ、鈴木誠也が同点2ランを放ったころ、遂に始まるthe madrasのライブ。
これまでは対バンしか見たことがなかったので、遂に初ワンマンを拝むことができました。

ここから2時間たっぷり、カバーを含めて数々の名曲を堪能。the madrasの始まりの1曲とも言えるロストから最新曲のスパークルまで、アコースティック編成だからこそ感じることのできる曲の細部に触れながら、至福の時を過ごしました。
スミスのカバーとホールは特にグッと来た。


木下さんのアコギは時にエレキより激しかったり、逆にエレキに持ち替えた時は一音一音とても優しく響かせたり。
前すぎる席に座ってしまったため、演者と目が合わないようにほとんど下を向いていましたが、その分心地よい音に浸りきることができました。


演奏中、ふとメンバー4人の足元を見る瞬間がありました。
木下さんはサンダル、リコさんはスニーカー、橋本さんはブーツかな、そしてえらさんは裸足。
三者三様ならぬ四者四様のスタイル。
それを眺めながら、こんなにも違う人達が音楽の名の下に集い一つになっていることの素晴らしさに感じ入っていました。
異なる形が一瞬だけ寄り添い、重なり合い、そして生まれ奏でられる旋律。
バンドの醍醐味と言うか、永遠を感じると言うか、一生このバンドの音楽を聴いていたい、と心から思える瞬間。


時間はあっという間に過ぎ、終電も近づいて来ましたが、終演後、再度つけられたテレビは8回の裏、安部が勝ち越しホームランを打って5-4。
こんな試合見ずに帰れるか、と終電を諦め最後まで見届けることに。

久しぶりの中崎劇場に胃を痛めながら辛くも勝利した瞬間、お店の方と木下さんとハイタッチ。

終電もなくなったため、カウンターでお店の方とカープの話をしながら腰を据えて飲むことに。
酒に弱く、普段はほとんど飲めないのですがこの日はどんどん飲んだ記憶があります。

そうこうしている間に、アコギを持った橋本さんが隣に座り、話かけて下さって…


ここから先の事は文字にすると野暮なのであえて書かないけれど、初めてチューインガムウィークエンドを聴き、これは私のためのバンドだ、と強く感じた高校生の時の自分に、今日まで生きてこれて本当によかったな、と言いたくなる幸せな時間を過ごさせていただきました。


どんな物にも終わりがあり、それはバンドも例外ではありません。
大好きな人が大好きな音楽を奏でてくれている、という幸せは当たり前ではない、という事実をふと忘れてしまうことが多い今日この頃ですが、だからこそ一瞬一瞬を大事に、行けるライブにはなるべく行く、ということを財布と相談しながら続けていきたいものです。