壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

the chewinggum weekend そして the MADRAS 鳴り止まない音楽たちへ(3)

もっと早く続きを書くつもりが、いつの間にか2年の月日が流れていました。

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色々記憶から抜け落ちている事柄はあるかもしれませんが、あの日の興奮は、ずっと心の中に残っています。

the MADRASのライブを見に行く。
新たな人生の目標を見つけた私ですが、当時は新潟勤務、日程が合わなかったり、東京のライブハウスに行くのには抵抗(というか恐怖)があったりで、中々実行に移すことが出来ずにいました。
ライブの日程を眺め葛藤する日々が続く中、奇跡のような1日を見つけました。2018年4月22日、昼は下北沢シェルターサニーデイ・サービス台風クラブの対バン、そして夜に同じく下北沢のCLUB251でthe MADRASの出演するイベント。
この日だ。この日に東京に行くしかない。

ライブハウスで邪魔にならぬよう、小さな鞄に財布とチケット、黒のサインペンと「killing pop」のCDを忍ばせ、緊張の中、始発に乗った記憶があります。
もちろん出待ちなどしたこと事がなく、また仕方も正直分かりませんでしたが、何としてでも橋本さんに会って、直接お礼を言いたい、いや、言わなければならない。強い決意を持ち、東京に向かいました。

思えば、あの日見たバンドが今の私を生かしているのだな、と感じます。まずこの日は、サニーデイ台風クラブが最高でした。2バンドともライブを見るのは初めてでしたが、お昼から満員のシェルターでロックを浴びたいだけ浴びた、幸せな記憶。人生をやり直したい、などと今更思うこともありませんが、この日にだったら戻りたい、そんな1日でした。これ以降、サニーデイや曽我部さんのソロ、台風クラブのライブは行けるだけ行きました。
今調べたら、前日の21日には松本でart-school を見てました。「In Colors」のツアー。ナカケンさんが木下さんのMCのマズさにふざけんなよ、と言っていました。そう言えばライブ終わりに入ったお店はとても美味しかった。あの興奮に出会える日が、いつかまた来るのだろうか。
そして前日が松本なら乗ったのは新幹線じゃなくてバスだ。そして小さな鞄だけでなく、着替えの入った大きな鞄も持っていたはず。やっぱり曖昧な記憶。

シェルターを出て、夜になるまでディスクユニオンでレコードを漁っていようと思いましたが、ソワソワしすぎて全く集中できず。下北沢で食事する勇気も出ず、そのまま251へ向かいました。
この日、私が251の扉を開けた時点でお客さんは数人。あと30分なのになんだこの入りは、場所か時間を間違えたか、と本気で焦りました。昼のシェルターとの落差。結論から言えば、開演後にはかなり埋まっていたのですが。
フロアに出されたテーブルにもたれ、この日3杯目のビールをチビチビ飲みながら、せわしなくあたりをキョロキョロ。
ビールもあっという間に残り少なくなり、何とはなしにバーカウンターをふと見た時、脳が事象を把握する前に、突然胸がギュッと苦しくなりました。

橋本さんだ。

それこそ歌詞カードくらいでしか見たことがない(それも昔の写真)にも関わらず、本当に瞬間的に分かりました。早くなる鼓動。
当時の私は、開演前に演者がフロアにいるようなライブハウスに行ったことがなかったため、まさかの事態に汗が止まらなくなりました。

お話したい。いや、お声をかけたいのはやまやまだが、それこそ仕事前にそんなことをしたら迷惑ではないか。そしてそんなミーハーな真似をして恥ずかしくないのか自分、などと自問自答しながら、間違っても目など合わないように、何回も何回も橋本さんをチラチラ遠目で眺めていました。今思い返しても気持ちの悪い、不審者そのものの挙動でした。

あの日を思い出して夜中にテンションが上がる一方ですが、今の世界とのギャップに悲しくもなり。
まだ書き終わりそうにないので、もう少しだけ続けます。