壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

Jonathan Richman「Surrender to Jonathan」

 我が家にまた新たなレコードをお迎えすることができた。jonathan richmanの1996年作である「Surrender to Jonathan」。

 ジョナサンのレコードを昨年から集め始め、先日市場に出ているのを初めて見かけた。オークション終了間際に中々の値段がついており、半ば諦めながら500円上乗せした額で入札し就寝したのだが、翌朝まさかの落札通知が来ており驚いた。

 レコードにはジョナサンのサインが。出品者の方が、そのツアー時にもらったのだそう。当時のフライヤーとシュリンクまで残っており、とても大切にしていたの物だと窺える。中古レコードには必ず前の所有者がおり、それの売買は歴史を受け継ぐことでもあるだろう。私は今、1997年の5月に思いを馳せながらレコードを聴いている。

 本棚から松永良平さんの「ぼくの平成パンツソックスシューズソングブック」を取り出す。松永さんは1997年のツアーに帯同し、その2年後にリズム&ペンシルの創刊号を上梓している(まだその本を読めていないが、いつか必ず手に入れたい)。松永さんも出品者の方と同じライブハウスでジョナサンを聴いていたんだな、と思うと不思議な気分になる。

 「Surrender to Jonathan」は、かなりポップなアレンジが施され、とても楽しく聴けるアルバムだ。他のアルバムのように、最小編成の朴訥なジョナサンもいいが、このアルバムが今の所一番好きかもしれない。英語をきちんとリスニングできないので真意は理解できていないだろうが、「Not just a"plus one"on the guest list anymore」の力強さと「Surrender」のロマンチックかつ陰のある歌詞が特にお気に入り。つぶらな瞳でポーズを決める表ジャケと、どこか憂いのある表情の裏ジャケの二面性も素敵。

 ジョナサンの曲はなるべくレコードで聴きたいので、持っていないアルバムはサブスクでも聴いていない。これからどれくらい時間がかかるかは分からないが、ゆっくりこの旅を続けられれば、と思っている。

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