壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

今日聴いたレコード 4/18

初期不良が組み立てミスか、購入以来一度も音が出なかったレコードプレーヤーが今日修理から帰ってきました。

これまで狂ったようにレコードのみを買い続け、結局ジャケを見ながらCD音源を聴く日々ともおさらば。

来週頭までに終わらせねばならない仕事を家に持ち帰らざるを得なくなり、ブルーな週末かと思いきや、これさえあれば在宅仕事も苦にならない(と思い込むことにします)。本気でテレワークにならないかしら。

記念すべきレコードプレーヤー初日、聴いたレコードを日記がてら記録しておこうと思います。

 

奥田民生「股旅」

jim jiminee「WELCOME TO HAWAII」

THE ROOSTERZ「FOUR PIECES」

スカート「エス・オー・エス

サニーデイ・サービス「DANCE TO YOU」

 

どんどん楽しくなるにつれ仕事を放り出したい気分が高まってしまったため、今日は5枚でやめておくことにしました。これはテレワーク無理だ。

部屋にあるLPはざっと数えて200枚。明日からが少し楽しみになってきました。

後はビールを飲みながら無理やり仕事終わらせます。今から月曜が憂鬱だ…

 

奥田民生「股旅」

https://music.amazon.co.jp/albums/B077S37B6S?ref=dm_sh_8F7qz8Iua3RUROLncEZCMueaX

サニーデイ・サービス「MUGEN」

少し無理をしてでも、意識して未来に楽しみを作らなければいけない。強い決意のもと、ディスクユニオンのオンラインショップでレコードを1枚注文した。7250円。決して無駄遣いではない。むしろこの値段であの名盤を手元に置けるなんて、感謝しなければいけないと自分に言い聞かせている途中である。

一種の到達点である「サニーデイ・サービス」、溢れ出る混乱をそのまま提示した「24時」に続く、ラストから2番目のアルバム「MUGEN」。

イントロなしの「太陽と雨のメロディ」から始まるこのアルバムが1番好きだ。当時のバンドの状態の悪さとは裏腹に、生み出された優しい手触りの曲達は、時代とは無関係に重力から逃れるような軽やかさを携えている。

今年の頭、サニーデイを見るために初めて江ノ島に行った。行きの電車で繰り返しリピートした「空飛ぶサーカス」、そして「江ノ島」。薄曇りの車窓を眺めながら、昂る気持ちを抑えながら。

あれは本当に素晴らしい夜だった。あれが最初で最後の江ノ島になってしまうだろうか。

別段これまでが平和で幸せな世の中と思ったこともそれほどなかったが、きっとあの日々すら元の形には戻らないのだろう。確かなのは、この事態がある程度収束した後、音楽雑誌上で、二束三文のライターがコピペのように、コロナ禍が作品に与えた影響は、などと聞いて回ることだ。

いつまで今日の続きを過ごせるだろうか。

毎日、不安と怒りと何もできない恐怖に押しつぶされそうになる。会社には逃げられない沢山の人がいる。体調はすこぶる悪い。

 

音楽を聞かなければいけない。

救いではなく、現実逃避ではなく、今ここで立ち続けるために。

レコードの向こうで、曽我部さんは愛の歌を歌っている。今夜はそれが全てだ。

スカート「どうしてこんなに晴れているのに」

今週は仕事で怒られてばかりだった。入社以来、ここまで毎日詰められたのは初めて。私に非があるものからイチャモンまで幅広く叱られまくった鬱一直線の今週、私の生命を繋いでくれたのは誇張でも何でもなく、通勤時のカーステレオから流れるスカートの曲だった。

2015年のライブ盤「The First Waltz Award」。

朝は「ガール」を何回もリピート。少しでも長く聞いていたくて、遠回りな通勤経路を選んだら渋滞に巻き込まれたりもしたが、澤部さんの歌声が響く車中は今この世界のどんな空間よりも平和で幸せだった。

帰宅時は「どうしてこんなに晴れているのに」。それから「S.F.」と来て「おばけのピアノ」。今日の無意で無力な1日をなかったことにはできないが、絶望がゆっくりと夕日に溶けていくのを感じた。

どんな時だって、あなたの歌声に包まれていたいのだ。

明日の今ごろ、本当なら東京でスカートのライブを見ているはずだった。スカートを好き好き言いながら、ワンマンはこれが初めてだったのだが。楽しみは先に取っておく、と言ってもその先がまったく見えない昨今。

ただ、いつか来たる振替公演、それまでは絶対に自分から終わるような選択肢は取りたくないな、と思いながら2缶目のチューハイに手を伸ばす。

 

Amazon MusicにあるSkirtのどうしてこんなに晴れているのにを紹介します https://music.amazon.co.jp/albums/B01DL17MIC?do=play&trackAsin=B01DL17UKW&ref=dm_sh_UyadIxqPEy7CssXisGnfKcfCR

 

 

逡巡

長い間、チマチマとgaragebandで曲みたいなものを作っていたが、引き籠もらざるを得ない週末が続く中ようやくひとつ完成した。

生きている間にやれることはやっておきたいと思い、ネットの海に糸くずを捨てるかのごとくアップしてみる。

タイトルは「逡巡」。

 

https://soundcloud.com/user-602225148/ic4ditawwljx

オフコース「別れの情景(1)」

ここ数日はオフコースの2nd「この道をゆけば/オフ・コース・ラウンド2」と3rd「ワインの匂い」を繰り返し聴いている。

ブルーハーツを入り口としてロックを聞き始める前、父の影響でチューリップやオフコース、母からの影響で岡村孝子アルフィーを好んで聞いていた小学生時代。引きこもるしかない週末を重ね、またあの頃の歌を熱心に聞くようになっている。リスナーとしてはどんどん終わっている自覚はあるが、好きなものはやっぱり好きだ。

しかし、当然ながら小学生の頃と今の私では好みは少し変わっている。オフコースを例にあげれば、当時は「さよなら」に代表されるバンド編成の曲が好きだったが、今は2人の頃のオフコースが最高に心にくる。

特に2nd収録の「別れの情景(1)」がここ数日のヘビーローテーション。サビで転調がある曲なのだが、そのサビに入る直前、キーを跨ぐ瞬間の小田さんの歌声が本当にいい。そして美しいコーラス、たまらない。

また以前のように東京でレコード屋に行けるようになったら、真っ先にこのアルバムを探しに行こう、と思う。

 

確か昔アルフィーの坂崎さんがこの客をラジオで弾き語っていた気がするのだか、ギター1本だとその転調がより際立ち、感動して鳥肌が立った記憶がある。youtubeのどこかにあったりしないだろうか。

 

Amazon Musicにあるオフコースの別れの情景 (1)を紹介します https://music.amazon.co.jp/albums/B0045OXDGK?do=play&trackAsin=B0045OZF98&ref=dm_sh_zd4yBpaDyOAqNALYsdrCACNe0

 

台風クラブ「下宿屋ゆうれい」

まだ音源になっていない、タイトルの表記が合っているのかどうかすら分からない曲。昨年の夏、金沢のライブハウスでイントロが流れた瞬間から心を奪われ、それはそのまま帰ってきていないような気がしてならない。

頭の中で何回も再生しているうちに、もしかしたら原曲とは違うものになっているかもしれない。それでも、記憶をたぐりながら今日も再生ボタンを押す。

歌詞もうろ覚えだけれど、いくつもグッとくる瞬間があった。

「眠れない夜に現れて いかしたダンスで床をうつ」という、もうロックそのものを歌ったような一節(があった気がする)。

「さっき同じ匂いがして 振り返って返事しても 間に合わない」という、情景と切なさがダイレクトに伝わってくる一節(があった気がする)。

そしてとにかくイントロが良かった、人生で一番好きなイントロはもしかしたらこの曲かも、というくらい好き。

ぜひPVは歌詞に沿ったショートムービーのような映像を作って欲しい。四畳半、窓が開き風でカーテンが揺らめく部屋の中、じっと遠くを見つめたり演奏したりする3人の絵が私の頭の中で勝手に出来上がっている。

年頭の1月に行われた台風クラブ/曽我部恵一/キイチビールのファンダンゴでの3マンでもこの歌は歌われた(今の所私がいった最後のライブ)。今年は7インチをたくさん作る、というあの日のMCを本気で信じているし、心から楽しみにしている。もしこの曲が収録されるのならば、これ程嬉しいことはない。

 

向こう1週間の未来すら不透明だが、その先にあるであろう希望を全部放り投げるつもりはない。心穏やかでない夜、まずはコーヒーを飲みながら部屋に流す曲を選ぶ。

GEZAN「東京」

東京という記号に無根拠な希望を担保する能力はすでになく、煌びやかな情景は架空の世界を創り出すという強い意志をベースとしたポップスの中でしか存在し得ない。
都市が本来持つ混沌の入れ物としての機能も、表層のみの健全化によって失われつつあるように感じる。
それでもこの場所で様々な人が住まい、何らかの幸せを求める生活が存在するのは不変のはずだ。
「この街に意味はないよ 命に用があるの」と歌うgezanの「東京」は、分水嶺に立つ都市と人の姿を一切のフィルターをかけず直視すると共に、bpm100で刻まれる心肺蘇生への祈りが込められた、今すぐにでも刷新されるべき名曲だ。2020年を象徴するなどともて囃している時間はない。この曲が普遍性を持つ未来は東京の名を冠す新たな名曲が生まれ得ぬ世界なのではないか。そして答えを出すことができるのはこのバンドでも東京と呼ばれる場所でもなく、それぞれの街で生きている自分だけだ。


あるライター講座に参加するため、お題として書いた400文字。これを書いたのが今年の頭。
ライブにすら行けなくなる未来がこんなにあっという間に来るとは露ほども考えていなかった。
我ながら、よくも偉そうに上っ面のことを書いたな、と思う。

毎日更新される、フィクションですら思いつかないような愚劣な政策に全ての気力を刈り取られそうになる。

仕事と寝ている時以外はほとんど音楽を聴いている。
家から出ないのにレコードを買うペースは全く落ちない。
これまで音楽のために生きている、と思うことがあったが、音楽によって生かされていたことを実感する日々。

これから毎日、なるべく頑張って日記を書こうと思う。
好きな人と好きな歌のことを考える時間を増やす、それが今、4畳半の部屋でできるすべてのことのような気がしている。


GEZAN / 東京 (Official MUSIC Video)