壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

今年買ったアルバム(1) ART-SCHOOL 「Cemetery Gates」

雑誌やブログで「2017年アルバムベスト10」みたいな記事を多く見かける今日この頃、私もやってみようと意気揚々と考え始めたものの、今年新譜を10枚買っていないことが分かり毅然としています。
中古のCDやレコードはわさわさ買っているのですが...
いよいよ閉じたリスナーになっていると改めて実感します。
仕方ないので、今年買ったアルバムの感想を書くことに方向転換します。


今年最初に買った新譜は1/25発売、 ART-SCHOOL 「Cemetery Gates」。
新譜と言ってもB面集。新年一発目から閉じていました。
ART-SCHOOLというか木下理樹関連のCDはソロアルバム以外全て持っているので、どれも何回も聞いた曲ばかり。

それでもなおこのアルバムを買ったのは、アルバムを買うと新宿タワレコでサインしてもらえたからです。
もうアイドルの握手会に行く人と行動原理は一緒。
しかも握手してもらった時自分でも驚くくらい足が震えたのを覚えています。
その時、やっぱりART-SCHOOLが本当に好きなんだな、と再認識しました。

B面集と言っても、ART-SCHOOLのコアである過剰なまでの潔癖さが詰め込まれた、一生を共にできる楽曲が集まった名作。
言い方はおかしいですが、このアルバムをART-SCHOOLではない若いバンドが新譜として出していたら、そのバンドはすぐ武道館公演ができるくらい売れるんじゃないか、という気さえするのはファンの欲目でしょうか。

ART-SCHOOLは元来フルアルバム以上にミニアルバムのリリースが多いバンド(フル10枚に対してミニ11枚)です。
ミニアルバムやシングルのカップリングに名曲が散らばりやすい傾向がありました。
特に2nd「LOVE/HATE」までにリリースされたCDは全て最高と言い切れるクオリティのものばかり。
コツコツと旧譜を集めた身からすると少しだけ寂しいですが、そうした名曲が1枚にまとまり、再び人目に付きやすくなるということは非常に大きい意義があると思います。

このアルバムに収録されている「ステートオブグレース」「I hate myself」「レモン」。
自身の成長の無さと取るか軸のぶれなさと取るかは自由ですが、初めて聞いた瞬間から今日この時までずっと好きです。
そんなART-SCHOOLが好きと言える自分が嫌いではありません。

ただART-SCHOOLを嫌いになったことは1度もありませんが、木下理樹を嫌いになりかけたというか文句を言いたくなったことは幾度となくあります。

なんで毎年毎年声が出なくなるんだ、とか
なんで年々ギターが下手になるんだ、とか
またメンバー辞めさせたのかこのキノコは、とか
辞めたメンバー皆出世してるぞ、とか
なんで対バンした若手バンドにどんどん抜かされていくんだ、とか
もうtonightとか子宮とか見とれるとかの歌詞はやめろ、とか
合わないならさっさとイヤモニをはずせ、とか
ライブのラストに「under my skin」「あと10秒で」は飽きた、とか。

新譜が出るたび、ライブに行くたび何かしら出る小言。本当に邪魔な客だと思います。
きっと私は、これからART-SCHOOLがどんなアルバムを出しても何かしら文句を言いながら、繰り返し繰り返し聞くのでしょう。

それは、ART-SCHOOLが出すアルバムが良くなかったことはないからです。
そしてバンドがどんな状態であろうと歩みを止めなかった木下理樹という人間に、心からの感謝と絶大な信頼を寄せていているからです。
それに甘え切って出てしまう文句。
一度解散したsyrup16gには訳の分からないほどダサいTシャツさえありがたがるのに、解散しなかったART-SCHOOLに悪態をつくのは我ながらおかしいと少し反省しています。

来年3/7にはnew album「In Colors」の発売も決定したART-SCHOOL
来年も最初に買う新譜はART-SCHOOLになる気がします。

これからも素敵なアルバムを出して私に文句を言わせて下さい。
そして戸高さん、MONOEYESがいくら楽しくても、ART-SCHOOLを辞めないでください。


ART-SCHOOL - B SIDES BEST『Cemetery Gates』Trailer