壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

syrup16g 2/25 新潟studio nexs(3)

もうライブから1週間たってしまう、早く書き終えないと・・・
MCのタイミングとか内容とかすでにあやふやですが頑張って思い出します。

MCによると新潟でのライブは15年前だったそうです。
どの曲の入りか忘れましたが、五十嵐さんが「15年前、会いたい人がいました。今も生きています、これからも」という感じのことを言っていて痺れました。かっこよすぎた。
この日ももう汗残ってないだろうというくらいにタオルで顔を何回も拭く五十嵐さん。愛おしい。


「開けられずじまいの心の窓から」はCDで何回も聞きましたがライブだと更に良かったです。
特にベースの強弱のつけ方というか、ピンッと指で弾くマキリンがカッコよかった。
ライブの後CDを聞くと、耳がよりベースラインを追いかけるようになって、また違う楽しみ方が出来ます。

後どの曲もそうですけど中畑さんのドラムは最高ですね。
1音1音全身全霊で叩かれる、大きいけれど全くうるさくない音。
若いバンドのドラムってやたら音が大きかったりシンバルがシャリシャリ響く気がするのですが(私の耳が老化している可能性は大)、全体のバランスとリズムそのもののカッコよさを両立している中畑さんのドラムは永遠の憧れです。

「落堕」の時だったかどうかもう記憶が定かではありませんが、曲中のブレイク時に中畑さんが「新潟のひと~」と突然一言。
突然だったので、私たちもうまくリアクションできず数人しか声を出せてなかった気がします。
ドラムを叩いてブレイク、また「新潟のひと~」。今度は結構大きい声を出す客席。
ドラムを叩いてブレイク、三度「新潟のひと~」。この日一番大きい歓声で答える客席。
この時マキリンが笑っていました。いいものを見れた。

本編ラストは「光なき窓」。この曲はやはりラストが似合う。
照明も明るめで3人を照らし、とてつもない名曲感を放っていました。
ここまでで十分お腹いっぱいでしたが、まだ『copy』の曲をこの日は一度も演奏していません。
もちろん起こるアンコールの拍手。
昔からの疑問なのですが、アンコールの拍手ってどうしてすぐ早くなってしまうんでしょうか?
この日も寄せては返す波のように、加速しては幾度となく消滅する手拍子でした。

アンコールは五十嵐さんと中畑さんがこの日の「十三夜」のTシャツを着て登場。
マキリンは着用せず、ステージ上のファッション崩壊の防波堤となっていました。

このタイミングのMCかどうかこれもあやふやなのですが(今回こればっかり)、中畑さんが「新潟はいい街ですね」と発して盛り上がる客席。
少し間があり、言うことが何もなかったのかもう一回「新潟はいい街ですね」とおっしゃってました。
この2回繰り返しに、マキリンが2本指を出して笑っていました。この日2回目のスマイルチャンス。中畑さんに感謝。

アンコールは5曲とも『copy』の楽曲。これがもう最高でした。
「Drawn the light」はツアー初日で聞いた時より明らかにかっこよかった。
こういう新鮮な感じの締めを心から待ち望んでいました。とにかく良かった。

そしてラストは「真空」。
五十嵐さんが前かがみになり、最前列の人はギターが触れたみたいです。
そしてこの曲で静か目だった客席がついに爆発。
五十嵐さん前方でまさかのモッシュ発生、私syrupのライブで初めてモッシュを見ました。
それを見て中畑さんからも笑みがこぼれます。

素敵な光景でした。

繋がる、という言葉はあまり好きではないし、一つになろうなんぞと呼びかけるバンドはその時点でシャットアウトしがちなひねくれた私ですが、syrupが背負ってきた過去も、今後どうなるか分からない未来も関係なく、ただその瞬間の音楽に熱狂が生まれたのはバンドとお客さん双方が心を開き、重なったからだと思います。こういう瞬間があるから私は生きていけるのです。

ステージを去るメンバー。
なんとうっすらとSEが流れ始めますが、アンコールを求める拍手は大きさを増すばかり。
明らかに1回目より大きいし、リズムが合うし、なにより熱のこもり方が違う。
定型的な呼び込みなどでは決してない、本当に聞きたいのだという意思が会場中を埋め尽くしていました。

そして大歓声の中始まるダブルアンコール。
中畑さんがまた「新潟はいい街ですね」。3回目です。
マキリンが3本指を出して笑っていました。この日3回目のスマイルチャンス。中畑さんに大感謝。

「きこえるかい」。
解散ライブ1曲目だったこの曲はもうどうしたって特別です。
いつかのスピッツのイベントの新木場の時も思いましたが、この曲を多幸感の中聞くことが出来る今は本当に幸せ。
あの日から10年経ちましたが、こんな未来が来るとは。

最後は「生活」でした。
五十嵐さんはたまにアドリブのメロディーを歌いますが、この日の「生活」の入りのそれは本当に素晴らしかった。
もう2度と聞けないであろう至高のメロディー。
聴いた瞬間、もう2度と思い出せないことは分かっていましたが、こうしてブログに書くことでその事実は忘れないようにしたいと思います。
沸き起こるモッシュ、古参であろうファンの方はいつくしむような目でそれを見ていました。
合唱も聞こえた気がします、それはまだー、の所で。これは快挙でしょう。

大盛り上がりで終わったライブ。
終演のアナウンスが始まった時、大きな拍手が起こりました。

この日は本当に楽しかった。本当に汗かいた。
欲をかけば「光のような」と「4月のシャイボーイ」が聞きたくてしょうがありませんでしたが、それはまたいつか、未来の楽しみとしてとっておこうと思います。
ツアーも残すところあと3本。

3/20のコーストは心して臨みます。
あとおそらく出るであろう「冥途」と書かれたTシャツは必ずゲットしたいです。