壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

棋王戦 第3局 大盤解説会 備忘録

興奮とか体の芯からの疲れとか恐怖とか忘れないうちに

当たり前だけど、普段スマホで見る将棋と全然違った、でも当たり前のことが分かってよかった
評価値に流されるのはよくない、とか分かったようなことを思っていたが、いかに普段評価値で分かった気になっているか心から理解した
配信ライブ楽しくない、と言ってたことと共通する問題で、自分が真剣に向き合っていなかったんだなと、
意図的にネットで評価値、推奨手を見ないようにしたが、本当に何も分からなくて、見ているだけなのに凄く苦しく疲れて怖くなった、こんなに分からないのか、分からないってこんなに寄る辺がないのか
例えを使うと、感じていた事から離れてしまうのは百も承知で、宇宙に放り出されるのってこんな感じじゃないか
腹は減らないが脳が緊急で糖を欲しまくっていた
高見さんは本当に凄い、一番好きな棋士になった
これまで配信で将棋を見ている時、解説者の雑談は局面が進まないから仕方なしの時間潰しかと思っていたが、あれは本当に必要なんだ、どこかで笑えないと文字通り息が詰まってしまう、緊張と緩和の凄さと救い、一つの感情でずっといることの苦しさを知った
高見さんが最後の詰みを説明してくれた時、訳もなく涙が出た、そして藤井さんが解説と違う手を指した瞬間キュッと引っ込んだ
会場のどよめき、藤井さんのうなだれ、どこからか思わず漏れる笑い、その後の静けさ
終局を見守るだけになった時、アドレナリンが出たのだろうか、疲れを全く感じなくなった
大盤解説会場に来てくれたお二方、藤井さんはともかく、勝った渡辺さんがあんなにも虚な状態なのに驚いた、高見さんの気遣いがこちらにとってもありがたかった、質問できることなんてあの場所ではもう一つもなかった
月並みだけど、頑張って働かなきゃ、と思った、もっと分からないことを考えないと
感動とはちがうかな、この言葉にしがたい感情を忘れたくないな、忘れてしまうのだろうけど匂いだけでも残っててほしい、自分の中でなかったことにしたくない、抗いたい
一日スマホを触らない、というのも久しぶりかもしれない、それもよかった、もっと減らした方がいい、これ書いたら今日はもう終わり
書けば書くほどこぼれ落ちる、書くほど形が変わってしまう気がする、終電で帰る、明日は色々頑張りたい
最後に、会場に向かう前に別のホテルのラウンジで食べた苺のタルトがとても甘くて素敵だった
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