壊れる少し手前の永遠

好きなバンドについて書いていこうと思います。

サニーデイ・サービス 10/28 LIQUIDROOM 備忘録

忘れないうちに今日感じたこと、思ったことを順不同でつらつらと今日のうち起きてるうちに

明日になったら、きっと形が変わってしまうから

 

江ノ島以来、2年10カ月ぶりのサニーデイサービス、17時過ぎに会場に着いて19時まで緊張しっぱなし、楽しみよりも不安が上回るドキドキの仕方だった

付き合えるかどうか分からない人とのデート前のような焦り、理由は分からない

会場は人数制限があるのかなと思っていたが開演寸前にはパンパンに、色々諦め覚悟する

サニーデイは1曲目から飛ばしていた、途中で今何曲目か分からなくなって数えるのをやめた

ドラムはあんなにしっかり叩いているのにうるさくない、これしかないというベストな音量と音色だった

曲中、何回も意識がどこかに飛ばされそうになるが、シンバルの音に意識を集中させることで何とか地球に留まった

名曲あれもこれもオンパレード、自然に体が揺れるが、同時にとてつもなく家に帰りたくなる

ライブという非日常サイコーとはならず、早く日常に戻りたい、部屋で妻に今日サニーデイのライブ見たんだ、とか話したい気分になった

音を一雫もこぼさぬように、あるいはあえてこぼしたり、ある時には目を閉じて体をかがめて人の波でくぐもった音を聞いたり、贅沢に曲を楽しんだ

恋人の部屋、春の風が特に良かった

曲に出てくる彼女やあの娘は、ずっと曲の中に閉じ込められたままなのだろうか

曽我部さんはずっと笑顔、私達を楽しませようとなんてしなくていい、貴方が楽しくあればいい、ただ私は貴方を楽しませるようなリアクションはできない、じっとステージを凝視するのみ

開演前と途中にお客さんが倒れた、すぐ声を上げてスタッフを呼べる方を本当に尊敬する

緩急ついた、と言うには振り幅が大きすぎるセトリ、ライブ感で書かれた週刊連載の漫画のようだった

ここで終われば区切りがいいね、という箇所が何回もあったがすぐ次の曲、分かりやすい流れやストーリーを拒絶するかのようだった

優しさ、ノスタルジー、街、彼女、海、死、ある種の独善性、暴力性、サニーデイらしいと言う言葉の範囲が広がりすぎて、これからどんな曲が出てもサニーデイらしさから逃れられないのではないか

今夏に配信リリースされた曲をきちんと聞けて良かった、もうサニーデイには先行シングルという概念はないのだろう

徐々に声出しが我慢できなくなる観客、曽我部さんに促され合唱が始まる、別にどうこう言うつもりはない、こういう目に遭いたくなければ家にいれば良かっただけのことだから

フロアの一体感は私には必要ない、誰に言われようが歌いたくないものは歌わない、あなたの歌だけを聞きにきたのだから

最後の最後に新曲、まるでソカバン、まるで銀杏、一発で覚えられるメロディ、熟練に背を向ける痛快さと、あえて積み重ねないことの難しさを感じる

今日でサニーデイ成分は十二分に摂取できた、これで最後になってもかまわないかな、と思った

来月の曽我部さんソロを見れたら、後はレコードを追いかけるだけの暮らしになるかも知らない

大切なものは変わっていくが、さよならではないので悲しくない、終演後はサッと外に出、直ぐに右の靴紐がほどけた

コンビニで酒を買ったがあまりいい酔い方はできず、少し鬱々とする

明日は何をしよう、出来れば今日もらったただいま東京クーポンとやらを使いきりたいが